ずっと止まってるので発破

あーあーあー。

せっかくの面白そうな企画が停滞しっぱなしでポイントだけが消費されていくというのも勿体ないので、自分から話題を振ってみます。

こういった「誰にも義務が発生しない」タイプの活動は、参加者が自由に振舞える反面、一度止まってしまうとなかなか再開が困難です。停滞の理由には「飽きた疲れた」などがあるんでしょうけれど、同じくらい大きな理由に「存在を忘れてた」というのがあると思います。更新のある内はその度に参加者の意識に上るので新たな反応も返すことができますけれど、一度更新が途絶えてしまうと参加者の意識に上る機会もなくなってしまい、そのまま忘れられてしまうということです。

この手の企画を長続きさせるためには「更新を途絶えさせない」工夫が必要です。止まってるな、と思ったら、誰かが率先してひとつでも話題を提供してみるとか。現在この公開編集会議が停滞しているのは、「可能性がなくなった」からではなく「更新のとっかかりがない」からでしょう。格闘ゲームの連鎖コンボに例えると、今はちょうど連鎖が途切れたような状態です。この状態から何かするには多少エネルギーが要りますが、最初の一発さえ当ててしまえば後はわりと簡単にぽこぽこコンボが繋がるはずです。

とりあえず話題を振るということで、ちょっと前に私が自分のとこで書いたフリーシェアワールドの提案とゆう記事を置いときます。クトゥルー神話のように著作権を行使しない作品体系が複数存在するようになれば、互いの体系が影響を及ぼしあってよい効果が得られるのではーという意見です。WEB上で作品を公開しているような人の中には著作権にあまり執着しない人も少なくないと思うので、その辺を中心とした新しい文化圏が形成されることもありえるんじゃないかなと考えてます。

[mizunotori]

単なる思いつきなんですが、創作SNSを作ってですね、それに参加している人のあいだでアイディアを共有……というか相互扶助というか、そういうネットワークを作るのはどうでしょう。「ここで詰まってんだけど、なんかいいアイディアない?」「こういうのどう?」「お、いいねー」みたいな感じで。そういった相互扶助関係は、これまでもプロ作家のあいだではあったのかもしれないけど、それの大規模なものをインターネット上で作り出す。うまくいけば数十人数百人のアイディアが詰まった作品が生み出されます。

[nisemono_san]

ごめんなさい。というか、一度書き込まなくなるとなんていうか見るのがおそろしくて仕方がなかったというか。で、mizunotoriさんにレスポンスを返すんですが、こういう企画が立ち上がっているとか立ち上がっていないとか。
http://d.hatena.ne.jp/./tazan/20060813#p1
で、こういうものの問題というのは、コメント欄でも指摘されているのですが、勝手に奪われたりしたら困るっていうのがあってオープンソースにしにくいという部分があるっていうところですね。商品化されないものであるならばオープンソースにしやすいというのがあるのだけれども。

[コメント]

natu3kan 『こう、なんというかしばらく書かないと書きにくいというのはあるかもです。
クトゥルーみたいなのがメジャーとして認知されたのは、やっぱり牽引者がいて、みたいなのがあるなあみたいな。
ガンダムもそうで、MSVとか本編から商業上の事情で外伝が生まれ、続編が生まれて、空白の設定について考察しだして、どんどん後付け設定が膨らんでいってみたいな。
やっぱり軸になる『魅力的な作品』があって、その世界観に魅力を感じた第三者が解題して辻褄をあわせて広げていくっていうかそういうプロセスがあるなあとか魅力あるお話が周辺の事情によって外伝や続編がつくられて気がつけば世界観が潤沢に〜というような事後性はあるのかもなあ。
だから、シェアワールド、共有された世界というより、作品より設定がメインな場合、おもしろげな設定のデータベースとかそういう風なのに近いなあとか。
世界観だとつながりと『史実』に存在したとされる事象の解釈の違いしかないつーか。で、どの作品の設定を『史実』として取り上げるかは一部のオープンソースみたいに史実にする設定とカットされる設定を決める集団ないし先導者がいるのかもなあ。

あんまりまとまってないので気にしないでください。』

[コメント]

# むむ 『シェアワールド良さげですね。
時代と舞台だけ決めておいて(たぶん現代?)、日常の影に色んな異能力や技術があることにしておけば、各書き手さんで好きなようにネタを出せそう。キャラを作る人や設定を作る人がいたりして、誰かのネタをもとに小説を書いたり、そういった企画は見てみたいかも。』

[sirouto2]>「一度書き込まなくなると〜おそろしくて仕方がなかった」

あるあるw


Erlkonigさんの提唱する「ゆらぎの神話」のようなシェアワールドと、Web2.0は似ていますが、mizunotoriさんが考えるような「創作SNS」で両者が出会います。具体的にはnisemono_sanが挙げられたリンク先のようにCMSで作ってもいいでしょう。というかこの前Xoopsは使ったばかりですが、萌理賞というか、萌え理論Magazineも含めて、ゆくゆくは萌え理論Portalに吸収できればいいなと考えています。


もちろん指摘されているような問題もあって、例えばミステリのトリックとかはネタバレが厳しいので、本当に良いものはみんなこっそり隠しておいて、悪貨が良貨を駆逐してしまうと思うんですよね。natu3kanさんの言うガンダムなんかは非常にシェアワールドが上手く行った例ですが、それはフリーではなくて商業で積み上げたわけで、少し異質だと思います。


ネットではむしろVIPの内藤みたいな、ネタが受けやすくて、それは参加コストが低いからだと思います。特にVIPクオリティの名の下に、多少技術が足りなくても気にしないことも大きいでしょう。yu_iさんが「現代学園異能シェアワールド化」に言及されていますが、ツンデレとか、もっというとパンチラは白かしまぱんとか、「くぱぁ」とかそういうある種の即物性がある方が広まりますね。一つの基準としては、映像でイメージできると強いと思います。

[Erlkonig]

「軸になる『魅力的な作品』」というのはとても重要です。「原作」という考え方の存在しない多次創作なので。「世界観の設定」がデータとして存在するだけでは外から見てなかなか魅力が示せませんし、その世界に入っていく取っ掛かりがないということでもあります。たとえば有名なフリーゲームの作者が「私の作品はシェアワールドとして自由に使っていいです」とか宣言すれば、その作品は大きな軸になるでしょう。

参加者が増え作品世界が大きくなってくると体系内での辻褄合わせがどうしても不可能になるので、「絶対的な"正史"はない」という考え方は不可欠です。自分で採用する史実を選ぶという形になりますね。設定という固定的なデータから少しズレるものとして各々が感じ取る流動的なイメージがあって、そういうものを「設定の集まり」という意味でのデータベースと区別する意味でイメージプールと勝手に呼んでいます。

イデアを盗まれたら、真似されたらという権利の問題は厄介で、これは世界観の共有という考え方にとっていちばんの壁ですね。私が上の方で言っているのは、そういうことを考えなくて済むよう最初から自分の権利を丸投げしちゃえという極端な考え方です。

[mizunotori]

「アイデアを盗まれたら、真似されたら」ということを考えなくて済むよう、適当な数の創作者をSNSで囲ってしまい、その中で「俺のアイディアをパクっていいけどお前のアイディアもパクらせろよな」というルールを作る、というのが創作SNSという発想の原点です。SNSですから参加者は調整できますしね。