倒錯社賞投票

http://q.hatena.ne.jp/1151442461
どうやら萌理のほうが締め切りに達したのでぼちぼちこちらも投票作業に入ります。*1

    • id:Maybe-naも携帯からなのでちゃんと読めないため棄権しまふ。あと文字のみで10000バイト以上になると携帯の文字数制限に引っかかるため編集できなくなっちゃうので。
選考員 作品 作品 総評
4 5

俺としては4と5を押したい。4に関しては、どうしても饒舌に成りすぎる小説の説明を最小限に抑え、良い意味での禁欲性があり、それが確かな技術と結びついているように感じたので。例えば、方言を使うところなんか好きだし、コンパクトながらにして、美しく深みのある作品だと思いました。あと、5を推薦したのは、擬人モノが好きだという俺の萌え志向がプッシュされたためです。あと、梅雨のけだるさとけだるくない・さわやかな部分という対比が俺は好きです。その辺りのギャップをうまく使っていると思います。

全体的に見ていて思ったのは、皆さんがやさしい言い方をしてますので、憎まれ役を勝手に買って出て、厳しい言い方をしますと、先に恐らく脳内萌えキャラがいて、それを文章で動かしているようなモノが多いかなあという気がしました。多分、説明されたらどういう意味で萌えなのかは理解できるとは思うのですが、短編ですので説明不足にならざるを得ない側面があって、そこの辺りで躓く人が多いのかなあと。意外にオタク同士でもお互いの「萌え」が理解されないモノ同士だったりするので、そこの辺り意識するとレベルが上がる作品が多いかなという気がします。

id:zonia 5 8

5番は低気圧なりにうじうじしてたりとか姿を思い浮かべやすかったりとかして萌えでした。アイデアもいいなあなんてことも思ったり。こっからそれなりの分量のあるストーリもかけそうで。

8ばん。こういう何気ない日常で、こっぱずかしい風景というのがぐっと来たので。

総評。というか、今回の評価は趣味だなあ。まあそれはおいといて、読んだ感想としては、自分の意図通りに人に印象付けるのってすごく難しい、ということでした(当たり前ですね)。上で似非原さんも言ってるんですが、共通理解のある属性としての萌えを提示するのであれば言葉足らずになっても大丈夫だと思いますが、そういう言語化・体系化された萌えってのはまだまだない*2。となると、ある程度は説明せんといかんよなあ、と思う次第。もしくは、わかりやすい属性を持ってくるか。

個人的には萌えを感じない作品が多かったのですが、萌えがなかったのではなくて、うまく表出できてないだけなのかなあ、と思いました。

4 15 4:短篇で見てみたい。ぶっちゃけ、一読しただけだと7割位の理解しか得られない文章だけど、その向こう側が知りたくなった。15:タイトルはいいかも。
えー、絵画なら無題とか、コンポジションナンバーいくつ、でもいいけど、文章ならタイトルは大事かなとおもったり。
id:setofuumi 20 11

20 回答者:tplusf
http://q.hatena.ne.jp/1151442461#a560931
カーテンを開ける→閉める→開けよう。という流れが美しいなあ、と感じました。カレンダーの使い方も上手い。人物二人の特徴付けもくどくなく良かったと思います。

11 回答者:desoeuvrement
http://q.hatena.ne.jp/1151442461#a560667
(短編という募集基準と矛盾しますが)「これが本の1ページだったら読んでみたい」という感想を持ちました。文体とキャラクターに興味をひかれたのが大きいです。

総評
技術も萌えも足りないし、せっかく多人数ということで偏見と俺基準優先に

id:Vane 16 20

16
私は美少女だ。/私が美少女だからだ。
という流れが良い。
文章にリズムを感じる。
また、最も萌えた。

20
sirouto2さんの言葉を借りれば、「いちばん小説的な文章力がある」。
文章が主人公と相手の両方の性格を、客観描写に徹して、上手く描写している。
選外の文章にあるような、文体が作品世界に入ることを邪魔することもない。良作。

総評
上記にあげた2作品以外はキャラクターがほとんど立っていない。萌えを感じない。
テーマが「萌え」である以上、短くても、キャラをできるだけ立てて欲しい。

id:nisoku2 15 20

15. 『姉はきっと水平線を思い出しているのだ』(回答者:id:extrameganeさん)
http://q.hatena.ne.jp/1151442461#a560768
今回の参加作品の中で最も心に残った作品です。
子供の頃の思い出を懐かしむ姉と姉の知らないところで大人になっていくノゾムとナナミネ――
この対比が素晴らしいですね。
視力を失ったことで「今」を見ることのできなくなった姉の存在が、子供が子供でなくなることの寂しさや痛みといったものをかえって鮮明に浮かび上がらせています。
また、序盤で、「姉弟ふたりして体育座りしてる」「姉とぼくの静かな朝は台無しになった」といった描写を織り交ぜおくことで、ノゾムは姉に対して単なる姉弟以上の感情を抱いているのではないか、ということをさりげなく匂わせているのも巧妙。
こういった描写があることで、ラストのキスシーンに、単なるラブシーンの枠を越えた、三角関係の現場のような緊張感と背徳感が生まれています。
私は、ナナミネがあえて姉の前でキスを迫ったのは彼女がノゾムの姉に対する思いに気づいていたからではないか、と解釈しましたが、こういった深読みが可能なのも、描写の積み重ねがあればこそ。
時間的広がりと空間的広がりを同時に感じさせるタイトルも秀逸。


20. 『無題(あの子がいる)』(回答者:id:tplusfさん)
http://q.hatena.ne.jp/1151442461#a560931
非常に完成度の高い作品だと感じました。
少ない文字数の中で二人の登場人物の対照的な性格がしっかり描写されているので、この二人にこれから起こる出来事に対して想像力が喚起されます。
文章の流れも良く、読みやすさという点においても、レベルの高さを感じさせる作品でした。

id:kagami 20 4

作品推薦:20 回答者:tplusfさんの作品が、私の一推しです。
http://q.hatena.ne.jp/1151442461#a560931
何気ない日常の一コマを情感を込めて描けている。
自然を感じさせる描写力が一番強いと思います。
本作を一番に推薦致します。

作品推薦:4 回答者:screammachineさんの作品を次に推します。
http://q.hatena.ne.jp/1151442461#a560181
短い文章の中に、読み手の想像力を喚起できる力が込められています。
世界の広がりを感じさせる良文と思います。


総評:ショートショートの割には少し冗長な感じの作品が多いような気がしました。
かなり厳しい文章制限(800字まで)があるので、文章・構成ともに冗長にしないことを
心掛けることが大切かなと思います。私が推薦した二作は、
そういった部分(冗長性)がなく、見事と思いました。
短い創作の場合は、推敲の重要性が特に高いと思います。皆さん頑張って下さいね。

15 20

15『姉はきっと水平線を思い出しているのだ』
第一にこちらの作品を推薦します。萌えとは瞬間の形象である以上に文脈でありましょう。他の作品が文字数制限のためもあって文脈作りに苦慮する中、2人のヒロインの相互作用によって800字内でダイナミックな展開を生み出し、かつ“以前”と“以後”を妄想させる手際が見事でした。つまりエロい。

20
次点としてこちらの作品を推薦します。15は短い文章に文脈を作る技術において優れていましたが、対照的に瞬間のスナップショットとして優れていたのが16及び20でした。16は外部データベースまで引っ張り出してきて反則ギリギリっぽいですが、全てのデータを最後にスパークさせた際の爆発力は素晴らしいものがありました。でもよく考えてみると夏でもなんでもないので、薄着で丸焼けな少女でベタに夏を演出した20に一票を投じさせていただきます。こちらも最低限の描写で激しく妄想させる手管に地味ながら光るものがあります。主人公の「あの子」への一方的な印象から一歩踏み込んで、両者の関係性、すなわち今後の展開を想起させる描写を最後にもう少し加えればなお良かったのではないでしょうか。

id:mind 1 20

ブクマ『囚人の共有知?』http://b.hatena.ne.jp/mind/?word=%E8%90%8C%E7%90%86%E8%B3%9E からの転載+αです。


1.の2『幼馴染のプール開き』――さりげなく投票。奇をてらわない設定、平易で流れのある文章が、かえって同世代による木訥な表現の現実感を醸し出しているようで、好感♪ そして何よりボクらのお約束、幼馴染み,ツンデレw


20.「無題(あの子がいた)」 ――さわやかに投票。中学生? きっと、あの子も気にしてくれていたのでしょう。女の子同士の友情?の予感。ストレンジャーとして越してきた心細いこの土地でも、ドキドキワクワク冒険の夏休みになりそうです♪


17.『先生と』(次点) ――なま暖かく投票。 今はだらけてる、先生の2面性がステキ。扇風機に向けた横顔が想像できます。私にも仕事じゃなく勉強みる振りして励ましてもらえる先生が居たら良かった…とw!


(追記: 2.萌理賞「夏とカキ氷と俺とセミ」について。sirouto2氏曰く「セミが女の子になったら萌えるのだろうかという根本的問題。」 ――セミですねw 萌え少女でありながら不条理でシュールっぽい。 これはクレイ アニメに向いてそうです。でも鳴くのは♂かな…)


総評。――技術的なことは分りませんが、もっぱら個人的趣向から3作品に投票… 噂によるとはてブ補正も入るとか…@@? てゆうか私も創作しようって考えたけど、挫折orz。 みなさん短期間にお題の作品を仕上げられたことに感服


――別に、私の「批評」に文芸理論的な裏付けがあるわけでもなく、一読者として感情移入できたかの感想を述べたまでなので、創作者のみなさまは、先生の指導を噛み砕いて消化して、ともに精進して参りましょう♪

id:natu3kan 9 18

9 http://q.hatena.ne.jp/1151442461#a560577

無駄な時間と、無駄な会話に癒されました。
小説らしい説明よりも、時間の流れてる感じが好き。
気の強い子に弱いです、ボク

18 http://q.hatena.ne.jp/1151442461#a560836

15と悩んだけど、15は推してる人がいたのでこっち。
お互いに気になってるのに、そんなに気にしてないよー。的な距離感が好き。
毎年が今生の別れって、なんか織姫と彦星みたいですね、って違いますか。

総評

みんな、やっぱり本を読んでるからレベルがたかいなー、と思った。
あと、改行がきっちりあった人のは読みやすかった印象があります。
適度な場所で改行されてれば、多少長くても読めそう。
萌え(ラノベ?)ってのは答えもある。
萌えってのは芸術というより職人芸みたいなもんで、いかに読み手の需要に対応できるか、がキーポイントであります。
そして、掌篇にもスマートな書き方がある。
だから審査員(読み手)側の要求どおりに、書くのはとっても大切なんだけど
ちょこっとフォーマットを崩してくれるようなお茶目さんが一人も居なくなって、画一化されるのは寂しいとも思います。
といってもみんながフォーマットに反抗するとまあ、面白くなくなっちゃうんですけど、この辺は尾崎豊ということで……

id:Erlkonig 15 3

15.『姉はきっと水平線を思い出しているのだ』extramegane
http://q.hatena.ne.jp/1151442461#a560768
タイトルでまず目を惹きますが、何よりラストの情景に強烈な瞬発力がありました。ただ、その直前までナナミネさんが女性だと判断できません。言葉遣いはむしろかなり男性的ですし、もう一人のヒロインの姉が登場するので他の作品なら可能だった「どちらかが女性」というメタ判断も使えません。「幼馴染」=女性という判断を期待していたのなら、ちょっと無茶だと思います。

3.『無題(夏はロケット)』xx-internet
http://q.hatena.ne.jp/1151442461#a560036
萌えという面ではこの作品がいちばんでした。38年を待ち続ける女の子の気持ちを想像すると、とてもリリカル。ただsirouto2さんが疑問を呈されていたように、「むしろ萎えでは?」と思う人の方がおそらく多数。同じことは鼻血を噴くヒロインやしわがれ声のヒロインなんかにも言えますけれど、老いてしまうヒロインというのはさらに難易度高いです。

総評
大体どの作品も「ここで萌えさせたいのだな」というのは理解できるんですが、実際に明確にその感情が喚起されたのは上の二作でした。また、登場人物の性別がすぐには分からない作品がいくつかあったのが気になりました。

  • [nisemono_san]すこし手直ししてみました。いかがでしょうか?
  • [kagami]どうもありがとうです(^^)
  • [catfist]幼馴染=女の子だと判断してしまった! これがエロゲ脳か!

上にない人は、自分のアイコンをフォトライフに載せるか、あるいは id: ***: image記法を使ってくだはい。(あるいはidだけとか)

*1:id:mizunotoriは棄権します。出場者が審査するのは危険なので。

*2:これ以降出てくるのかどうか、およびその是非はわかりませんが。